いまの米株安でも日本人からすれば投資対象としての割安さは少ない。
現状確認
ナスダックは弱気市場入りしました。S&P500が20%下げるかは不透明ですが、現在は13%下落しており片足を突っ込んでいます。
TradingViewより |
年初来からの米株主要指数の動き。下落の小さい順に
- NYダウ:-9.86%
- S&P500:-13.86%
- ラッセル2000:-17.97%
- ナスダック総合:-22.09%
金利に敏感な指数ほど下落が大きいことが一般的には理解できます。
また、ラッセル2000に関しては2021年のミーム株騒動後に上値が重くなっていたため、パフォーマンス期間を変えれば上昇ストップ→下落に転じたのが一番早かったのがラッセル2000です。
日本人から見たS&P500
私たちはGoogle検索や投資アプリからS&P500のチャートを見ます。
しかし、日本からS&P500に投資する場合は既存のドルがない場合はドルを買ってからETFなりを買う。
あるいは、日本円評価で為替ヘッジなしのS&P500の投資信託を買っている
上のどちらかをしている人が多数派であり、為替ヘッジつきS&P500を投資していたり、為替ヘッジなしに投資して同時にドル売り円買いのポジションを組んで、ドル建てのS&P500に投資しつつ、円高になったときの備えにドルを売っておくというポジションを同時的に組んでヘッジしている人は少数でしょう。
こちらはS&P500と、それを扱う日本国内のETFの推移です。
この中で異常な動きをしていて、年初来でマイナスが1%しかしていないS&P500のETFがあります。
それが日本から最もアクセスしやすい為替ヘッジなしのS&P500です。
年初に投資した人からすると、いまの米株安が体感的には存在せず。指数の13%の下落を円安による為替差益で相殺している状況です。
これが今の状況において、日本からS&P500含めて米株に投資しづらい状況です。
裏を返すとS&P500が年初来に戻ったとしても、ドル円が120円に後退すれば利益は実質的にほぼ0になります。
いまの株価下落で投資信託などの積立てを増やそう!始めよう!とSNSで言っている人がいますが、日本人は限りなく損をしていない状態であり、S&P500の投資信託を購入した人はいかなる期間でも10%以上の損をしていないぬるま湯状態であり、今後の株安が米景気不安で円安が訂正されるタイプの円高株安なら地獄を見るでしょう。
ただ、本来の投資はそんな状態のときにするのが最適解です。